今回 ご依頼は 新築祝いに お父さんからいただいた 木版画の額 と なんやら仏様がたくさん描かれた 額入りの絵
価値が、まったくわからなくて もし値段が付くなら 買取って欲しいというご依頼でした。
長岡京市の鑑定館よりお住まいが 近いという事でしたので 「持ち込みましょうか」と 言って頂いたのですが 車に積み込んでわざわざ出て来るのも一苦労です。
「お近くなので 出張しますよ」と 訪問する事にいたしました。
三階建ての大きな一戸建て 二世帯住宅になっているようで インターフォンが 二つ どっちを押すか迷ってますと タイミング良く玄関から出て来てくださいました 。
二階のお部屋に通され 「お茶飲みながら少し待っていて下さい。 これから三階から 絵を 下ろして来ます、」
とご主人が 三階に上がられて ゴソゴソ 程なくエアパッキンに包まれた 額を何枚か 二階の広間に運んで来てくれました。
「いやー安尾さん 来てくれて助かりました これを 車に積んで 運ぶってけっこう重労働ですから…」と 喜んでおられました、
「親父がね 知り合いから貰ったらしいんですがね 有名な版画家の作品で とても値段が 高いって言うんで 私は 要らないんで 値段が 良かったら 売却したいなと思って いや 値段が 高くなくても絵を壁にかける事は 僕の趣味じゃないので 片付けたいのですよ」
なるほど 入手の経緯などを 教えてもらい 絵を 見せていただくことに
「獅子舞の版画 と これは 円空仏 の版画ですねー 円空といえば 岐阜県ですね 岐阜県に縁のある作家さんじゃないですかね 私が パッと一見して解ると有名な作家さんなんですが サインというか 印が ありますが すみませんが この作者さんは 記憶にありません」
ご主人 「そうです 親父から飛騨高山の作家だって聞いてます。名前は… なんだったかな … ちょっと親父に電話して聞いてみます」
「もしもし 親父 今… 小野ヶ原達治 わかった ありがとう…」
作者が 判明しました。
なるほど やはり飛騨高山 岐阜の人ですね しかし 調べてみますと やはりお値段的には 高額な事は ないみたいです。 と スマートフォンで 検索して ご主人に お見せしました。
最近は とても便利になりました。最近の1~2年の取引価格などはすぐに検索して相場などがわかります。
「ほんとですね こんな値段なんですか… 親父は 騙されたんですかね…」
私「でも 頂き物だったんですよね ご主人もお父様から頂いたと 版画というのは コピー印刷では ないのですけど 印刷の元の技術みたいなところがあって まずは、ほんとに木版画かどうか ?また 誰の作品か?シリアルナンバーが ある? 何番か?
てとこを みたりしますが 一番は 誰の作品かというところなんです。もしもこの作品が 木版画の巨匠 棟方志功 の作品だったら 150万や200万してもおかしくないのですが 同じ木版画でも 作者が違えば 評価もぜんぜん違う事になってきます、作者が 現存の人で 文化勲章や人間国宝などの特別な存在になられたら その作品の価値も上がるのですが … また 記念館などが たちますと価値が上がるか、ある一定の範囲では 保たれるという事も あるようですが この作品にたいては …」
もう一枚は これは チベット 西蔵 密教の仏画で 曼荼羅と言う絵です。
(曼荼羅 まんだら)とは、仏教のなかでも特に「密教」で考えられている世界観を分かりやすく表現した仏画
曼荼羅は、もともと仏教が誕生した古代インドのサンスクリット語で「本質を有する物」を意味します。
この曼荼羅には幾つかの種類があり、宗派によって絵柄や世界観に違いがあります。日本においては、「真言宗」の世界観を表現した「両界曼荼羅」(りょうかいまんだら)が有名。両界曼荼羅は、「胎蔵界曼荼羅」(たいぞうかいまんだら)と「金剛界曼荼羅」(こんごうかいまんだら)の2つの世界からなり、それぞれ「理」(ことわり:真実)と「智」(ち:智慧[ちえ]と実践)という教えを伝えていると言われています。
中国 チベット密教 発祥の仏画 で 日本にも仏教の伝来とともに関連の仏画や仏具が 古くより渡って来た物の可能性は 充分にあります。しかし その一方で 模造品も多く そもそもは 仏画 密教の絵で 作者のサインなどは なく 色彩や細密度 古さ 紙の質や画材といったところを 見ます。
中国にチベット自治区に行けば 今でも沢山の曼荼羅が お土産として売られています。
今回の曼荼羅は 簡易的な額装に収まっていて 細密さや 色彩的にも 優れた感じは 感じられませんが 中国 チベット自治区のお土産品としても 高価な物で数万円は すると思います。
曼荼羅 近年の作品 中国チベットのお土産品 と考えます。
まとめてお値段を 提示いたしましたが 曼荼羅を 少し良いお値段が 付ける事ができましたので その場で お父様にもお電話して頂き 版画は 残念でしたが 仏画は 良かったと ご納得の上 商談成立 ありがとうございました。
ご主人も 今日は、「すき焼きでもします♪」と 運び出しもお手伝いして頂き ありがとうございました。