長岡京市にお住まいのご近所の方からのご依頼でした。
「年末家の整理をしていたら茶道具やら骨董品やらが 出てきて 有名な全国チェーン店の買取店に行ったのですが あまりわかってなさそうな若い店員さんが いい加減な事ばかり言って 最後には 写真を 撮って本部で査定しますって言うので 退却してきたんです 」
それで 以前から看板で知っていた 安尾京栄堂に連絡しましたと ご連絡くださいました。
「それほど良い物だとは 私も思ってないんですよ ただ 父の残した物なんで ちゃんと見てくれるところで 見てほしいと思ったんす。」
選んでいただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。
長岡京店にお持ち込みいただきました。
茶道具は 初代 小川長楽 作 の赤楽茶碗 楽家の脇窯という位置ですが 立派な楽茶碗です。 しかし 箱は 無くて 裸の茶碗 なので少しお値段安くなりますが 思っていたより良い価格が付いたので喜んでいただきました。
矢立 や 銅に銀象嵌の花器 これは 明治頃の作品と思いますが 良い作品で しっかり買わせて頂きました。
とても喜んで帰って行かれました。
昔 祖父や親父の代までは 茶道具を 良く扱っておりました、私自身も京都の道具屋で茶道具がわからないなんてのは 道具屋じゃないなんて良く親父に言われたので 縁あって裏千家の先生のところで 茶道を長く稽古して参りましたので 上級免許 助講師までいただいております。
茶道というのは たくさんの道具 骨董品の表舞台のような文化で 茶道の道具になり得る物を 茶道具と呼びますが 多種多様にあり これに精通する事が 目利きの近道だと思い勉強してまいりました。
長い間 たくさんの骨董品 茶道具に接してきたので 今があると思います。
骨董品を 査定するのは 経験値が ものを言います。
まごころ査定と言いましょうか 丁寧に説明してご納得の上 安尾さんに見てもらって良かったと言っていただけるような仕事がしたいですね
[初代 小川長楽]
茶道をはじめ伝統文化が衰退していた時代、後援者との交流、同時代の陶家や画壇との切磋琢磨の中、培った技術に独自の手法を加え、自らの世界を切り開いた初代長樂。
縦横無尽に走るヘラの強弱は書の緩急のような間合いを持ち、流麗ながら抑制の効いた瀟洒な作風を作り上げた。
また、白雪のような幕状の釉薬と、火変わりの赤と黒のコントラストが美しい赤楽幕釉など技法の研鑽を重ね、茶の湯の道具はもとより、懐石道具などの食器・煎茶道具・仏具・置物など幅広い作品に取り組み、長樂窯の礎を築く。
[矢立(やたて ]
筆と墨壺を組み合わせた携帯用筆記用具 材質は金属・陶・竹・木などがある。墨壺を筆に入れる筒をつけた筆記用具で江戸時代のものである。
鎌倉時代に戦場で筆記する状況に備えて小型の硯と筆を箙(矢立)の中に入れて携帯し、この硯を「矢立の硯」と呼んだことから携帯式筆記用具一式を矢立と呼ぶようになった。